夕刊フジ インタビュー特集「この人あり」

2014年07月08日お知らせ

法律を用いて市民の生活を守る弁護士。ここ最近テレビのバラエティ番組に出ていたり、メディアで見かけることが多くなった。しかし実際弁護士と関わったことがある人は意外と少ないのでは。“弁護士って・・、司法の世界って・・一体どんなものなのか”。興味の湧くところだ。今回紹介するのは大阪弁護士会会長を務めるなど、関西の弁護士界を力強く牽引する中本和洋弁護士。忙しい合間を縫って、貴重な話を伺った。

 「近年の司法制度改革によって、弁護士数が増え、裁判員制度が実現しました。取り調べの可視化も実現に向けて動き出しています」と司法の現状をこう説明する。

  昭和56年に弁護士登録。「私の弁護士としての原点は国選弁護や個人の方々からの法律相談です」と刑事事件や個人案件を中心に経験を積み上げてきた。今現在16人の弁護士が事務所に在籍。個人から法人まで、家事事件から企業法務等あらゆる案件に専門的に対応している。

  中本弁護士自身、日々様々な案件と向き合い、多忙な毎日を送る。一方で、「一般の方々に民事司法のサービスをもっと快適に利用して貰うにはどうしたらいいか。今後の課題であり、考えていかなければならない」とも。

  業務の傍ら“民事司法”の改善・改革に取り組む中本弁護士。「皆さんが司法を利用する時の課題として、“裁判には時間や費用がどの位かかるかわからない”、“身近に相談できる法律家が少ない”などが挙げられます」

  これらの課題解決に向けて「密な話し合いを重ねていかなければならない」と、中本弁護士は“民事司法”に関するシンポジウムや懇談会を主催している。

 先月20日には東京都内のよみうりホールにて“いま司法は国民の期待にこたえているか”と題したシンポジウムが開催された。中本弁護士もパネリストとして参加し、活発な意見交換を行った。「国民の多くが民事裁判は利用しにくいと感じているのが現状です。訴訟手数料の低・定額化、民事法律扶助制度・弁護士費用保険の拡充などの対策を講じて使い易く、頼りがいのある民事司法を実現していきたい」と話す。

(プロフィール)
中本 和洋(なかもと・かずひろ)昭和21年生まれ。広島県出身。
京都大学工学部卒業、同大学工学研究科修了。
技術研究所勤務を経て昭和56年弁護士登録。中本総合法律事務所所長。
平成20年弁護士法人中本総合を併設し東京事務所を開設。
平成23年度大阪弁護士会会長。同年度日本弁護士連合会副会長。

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